@misc{oai:omnh.repo.nii.ac.jp:00001583, author = {大谷, 道夫 and Otani, Michio}, month = {May}, note = {クモヒトデはみなさんご存じのように、体の中心にある盤(ばん)から細長い腕(うで)が水平に5〜6本出ている動物です。潮が引いた磯(いそ)では転石の下に潜(ひそ)んでいるので、転石を返すと見つけることができます。大阪湾の磯で最もよく見つかるのはナガトゲクモヒトデです。「ナガトゲ」という名前のとおり、腕に腕針(わんしん)という長いトゲ状の針を持ったクモヒトデです。この長い腕針のためトゲトゲした印象があって、他のクモヒトデとの区別は容易です。ニホンクモヒトデもよく見つかります。ニホンクモヒトデの腕針は短く、盤も滑らかで、腕に横縞(よこしま)模様があります。ただ、大阪湾には同じように腕に横縞模様を持つトウメクモヒトデという種類もときどき見つかっていて、両者は混同されやすいといわれますから間違えないことが大切です。そのためにはまず、腕にある腕針の数に注目しましょう。クモヒトデの腕はたくさんの節が繋(つな)がって出来ていますが、各節ごとの腕針の数は種類ごとに決まっています。ニホンクモヒトデの場合、腕針は節ごとに3本しかありませんが、トウメクモヒトデでは8〜11本とたくさんの腕針があります。これはルーペがあれば数えることが出来ます。さらに、両者は盤の状態も違います。クモヒトデの盤は普通たくさんの小さな鱗(うろこ)で覆(おお)われますが、種類によってはこの上に棘(とげ)や顆粒(かりゅう)を持つものがあります。ニホンクモヒトデの盤の鱗上には棘も顆粒もなく滑らかです。一方、トウメクモヒトデの盤の鱗上にはたくさんの小さな顆粒があって、ちょっとざらざらした印象になります。これもルーペがあれば観察は可能です。少なくともこの2点に注目すれば両者を間違えることはありません。磯で見かけたらこれらの点に注意してみましょう。大阪湾の磯ではこのほかにもチビクモヒトデやイソコモチクモヒトデがみつかることがあります。これらはいずれも小型で、転石下面を注意してみないと見つかりません。チビクモヒトデは緑がかった色彩(しきさい)で、腕の数は6本です。分裂して増えるため腕の長さが不ぞろいのことがあります。イソコモチクモヒトデは白っぽい色彩のことが多く、腕の数は5本です。}, title = {大阪湾の磯の生き物観察シート (20) クモヒトデを見分けよう}, year = {2021}, yomi = {オオタニ, ミチオ} }